大学では珍しい担任制を導入することで、学生と教員の距離が近い環境を生み出しています。クラス担任制を同学年のクラスだけではなく、学年を跨いだ縦のクラスにも導入することで、学年を超えた縦の交流も生み出され、学生と教員だけではなく、学生間の距離も近い環境です。また、担任教員による定期的なホームルームも実施され、教員がリハビリテーションの現場で得てきたものを学生に即還元することも行われています。
基礎理学療法から保健・医療・福祉・スポーツと、様々な専門分野を研究する教員が揃い、学生の学修をサポートしています。学生は様々な専門性の教員から知識や技術を吸収することで、自身の将来についての視野を広げることができます。また、女性教員の比率が1/3と高く、多様な働き方のロールモデルとなっていることも特徴です。
東京医療学院大学の開学は2012年ですが、大学を運営する学校法人常陽学園は、1997年より理学療法士の育成を行ってきており、東京医療学院大学の国家試験対策にはこの常陽学園が長年にわたり理学療法士を輩出してきた経験とノウハウが活かされた、国家試験合格に向けた計画的メソッドがあります。また、国家試験対策に限らず、日々の学修においても分からないことがあったら即座に教員に質問できる環境があります。
学外で行われる実習(臨床実習)は、合計で18週間にも及びます。本学では、学生が安心して実習に臨めるように、実習前セミナーや外部講師を招聘してのOSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)※を実施しています。また、本学教員と実習指導者による合同会議や実習指導者と学生との面談も行うことで、大学と実習施設との連携も強化しています。
実習施設の所在地は関東甲信越のみで、非常にコンパクトにまとまっています。
※OSCE:ペーパーテストによる知識重視の教育ではなく、判断力・技術力・マナーなど実際の現場で必要とされる臨床技能の修得を適正に評価する方法
理学療法士として、深く人間を理解するための教養を高め、大事な心のあり方、知識や態度、心身の健康管理を身につける
リハビリテーションの対象である「人」を支援するためには、自分を含めた「人」について興味を持つことが大切です。医療、心理、福祉など多角的に幅広い知識を学び、コミュニケーション力を向上させ、他者を理解し、人に優しく寄り添うことができるようになります。また、スポーツやボランティア活動を通して心身の健康づくりや地域の様々な人との交流の機会もあります。
区分 | 科目 | |
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教養科目 | 人間と社会 | ●大学導入論 ★ボランティア入門 ●生命倫理 ●学びの技法 ★教育学 ●心理学概論 ★法学入門 ★文化人類学 ★生活と経済学 |
科学的思考 | ★情報処理(基礎) ●情報処理(応用) ★環境科学 ★生命科学入門 ★行動科学 ★自然科学基礎 |
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コミュニケーション・英語 | ●コミュニケーション論 ●対人援助技術論 ★医療従事者のための日本語表現 ★英語(基礎) ★英語(英会話) ★韓国語(基礎会話) |
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健康と社会 | ★スポーツ・レクリエーション ★専門職の世界 | |
専門基礎科目 | 人体の構造と機能 | ●解剖学(人体の構造) ●解剖学演習Ⅰ(骨・筋・末梢神経) ●解剖学演習Ⅱ(中枢神経・内臓学・心脈管系) ●生理学 ●生理学演習 ●運動学 ●人間発達学 |
疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進 | ●臨床心理学 ●栄養学 | |
保健医療福祉とリハビリテーションの概念 | ●リハビリテーション概論 ★社会福祉概論 ★地域の保健医療福祉 | |
専門科目 | 基礎理学療法学 | ●理学療法学概論 |
理学療法評価学 | ●理学療法評価学A(四肢周径・バイタルサイン等評価) ●理学療法評価学A演習(四肢周径・バイタルサイン等評価) ●理学療法評価学B(関節可動域・筋力等評価) |
※★は選択科目
医学の基盤学修を通して、理学療法の基礎知識や技術、態度を理論的に学び、かつ学内での演習で実践力を身につける
疾病を理解し、運動機能の回復あるいは生活の自立などへ応用するための基礎知識を理論的に学びます。学内では、座学だけでなく学生同士で協働する演習科目が増えることによりチームで学ぶ実践力が身につきます。また、初めての臨床実習が開始となり、見学体験を通して他職種や対象者との良好なコミュニケーションを図ることができるようになります。
区分 | 科目 | |
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教養科目 | 人間と社会 | ★教育方法論 |
科学的思考 | ★統計学 | |
コミュニケーション・英語 | ●保健医療英語入門 ★保健医療英語購読 | |
健康と社会 | ★東洋手技療法入門 ●医療安全管理 | |
専門基礎科目 | 人体の構造と機能 | ●運動学演習Ⅰ ●運動学演習Ⅱ ●老年学概論 |
疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進 | ●病理学概論 ●薬理学 ●内科学 ★外科学概論 ●整形外科学 ●リハビリテーション整形外科学演習 ●神経内科学 ●精神医学 ●小児科学 ●脳神経外科学 ●公衆衛生学 ●救急救命学・スポーツ医学 ★言語聴覚学概論 |
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保健医療福祉とリハビリテーションの概念 | ●リハビリテーション医学 ★福祉工学 ★パラスポーツ演習 | |
専門科目 | 基礎理学療法学 | ●基礎理学療法学Ⅰ |
理学療法評価学 | ●理学療法評価学B演習(関節可動域・筋力等評価) ●理学療法評価学C(障害別評価) ●理学療法評価学C演習(障害別評価) |
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理学療法治療学 | ●理学療法技術論B(運動器系) ●運動療法学(基礎) ●日常生活活動学 ●物理療法学 ●物理療法学演習 |
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臨床実習 | ●臨床見学体験実習 |
※★は選択科目
理学療法士に必要な知識や技術、態度を学び、学内、学外の演習・実習を通して、実践的な力を発揮できるようにする
これまでに学んだ基礎知識に各専門の学問を発展させて統合し、理学療法士として、科学的根拠に基づいた対象者の評価、理学療法治療が実践できるように学びます。また、臨床実習では、臨床実習指導者のもとで、診療参加型臨床実習を通して、多職種連携の実際を体験し、理学療法士としてその専門性をどのように発揮するかを考えることができるようになります。
区分 | 科目 | |
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専門基礎科目 | 疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進 | ●医用画像解析学 |
保健医療福祉とリハビリテーションの概念 | ●多職種連携論 ●保健医療制度概論 | |
専門科目 | 基礎理学療法学 | ●基礎理学療法学Ⅱ ●理学療法学研究法 ★卒業研究Ⅰ |
理学療法管理学 | ●理学療法管理学 | |
理学療法評価学 | ●理学療法評価学D(画像評価) | |
理学療法治療学 | ●理学療法技術論A(成人中枢神経系疾患) ●理学療法技術論C(小児中枢神経系) ●理学療法技術論D(神経筋疾患) ●理学療法技術論E(循環器・代謝系) ●理学療法技術論F(呼吸器系) ●運動療法学(病態) ●運動療法学(運動器系) ●運動療法学(外傷性疾患) ●運動療法学(中枢神経系) ●日常生活活動学演習 ●義肢学 ●装具学 ★リハビリテーション治療学演習Ⅰ(生活行為向上マネジメント) ★リハビリテーション治療学演習Ⅱ(スポーツ傷害理学療法) ★リハビリテーション治療学演習Ⅲ(認知症) ★リハビリテーション治療学演習Ⅳ(AI・ICT 活用/ 福祉用具作成) |
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地域理学療法学 | ●地域リハビリテーション学 ★地域リハビリテーション学演習 ●地域理学療法学 | |
臨床実習 | ●評価実習 |
※★は選択科目
大学での学修の集大成として、臨床実習に臨み、多職種との連携やキャリア形成にも視野を広げ自己研鑽する姿勢を身につける
学内での講義は「理学療法学総論」のみであり、総合臨床実習、地域理学療法実習により実践力を高めます。対象者の社会復帰あるいはその人らしい生活の構築に向けた支援をし、理学療法士が専門職者として地域で働くイメージを持つことができるようになります。また、キャリア形成にも視野を広げ、生涯にわたり学修し自己研鑽していける素地を作ります。
区分 | 科目 | |
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専門科目 | 基礎理学療法学 | ●理学療法学総論 ★卒業研究Ⅱ |
臨床実習 | ●OSCE ●総合臨床実習 ●地域理学療法実習 |
※★は選択科目
時期 | 科目(内容) | 期間 |
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8月 | 臨床見学体験実習 | 1週間 |
時期 | 科目(内容) | 期間 |
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8~9月 | 評価実習 | 6週間(学外) |
時期 | 科目(内容) | 期間 |
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5~9月 | 総合臨床実習 | 10週間(学外) |
8~9月 | 地域理学療法実習 | 1週間 |
実習施設において1 週間、実習指導者の指導・監督のもと、学内で学修した理学療法に関する基礎知識をもとに理学療法士の役割と機能を学びます。また、他職種を含めた関係スタッフや患者さんとのコミュニケーションを図り、専門職者としての将来像を捉えることや基本的な態度を身につけることを学びます。
評価実習は実習施設において実習指導者の指導・監督のもと、学内で学修した評価に関する知識や検査・測定方法などを患者さんに対して行い、身体能力や生活環境等を評価することで患者さんの全体像を把握し、具体的な問題点を抽出するまでの過程を行います。
理学療法学専攻の総合臨床実習は10 週間(学外)と、長い実習期間となっています。学生一人ひとりの個性と学修状況に合わせ、実習先の病院と密な連携・情報交換を行いながら到達目標までじっくりと学びます。
学生は臨床実習指導者のチームに参加して、理学療法の臨床推論を学び、見学、模倣、振り返りを繰り返すことによって臨床経験を多く積む形態の実習を行います。見学では学生が臨床実習指導者の行う理学療法について解説を受けながら観察します。模倣では学生が臨床実習指導者の行う理学療法について指導を受けながら実際に行います。実施では学生が臨床実習指導者の行う理学療法を監督の下、主体的に実際に理学療法を行います。
理学療法士を目指すための臨床実習では、各病院で受け入れられる実習生数が限られているため、学生一人だけで実習地に行くことが一般的です。そのため、病院の受け入れ状況によっては、近隣の実習地以外で実習を行うこともあります。本学では、遠方の実習地になった際の交通費・宿泊費を大学が負担し、実習費を別途徴収することはありません。
学生が実習に行く前に、実習先の臨床実習指導者に来ていただき、本学教員と合同会議を行います。本学の実習についてご理解いただき、臨床実習指導者と学生との面談も実施します。学生への実習指導が円滑に進むように、実習先との連携を密にしています。
医療現場を想定した最新の設備で、実践力を身に付ける!
理学療法学専攻が使用する実習室は、基礎医学実習室、物理療法実習室、運動療法実習室、水治療室、機能訓練室、治療学実習室、装具加工室の7部屋です。技術向上のため、治療学実習室は講義以外の時間、学生が自由に使えるよう開放しています。また、物理療法実習室や運動療法実習室は、申請の上、21時まで使用することができます。
主に1・2年で学ぶ「生理学」や「解剖学」の実習・演習で使用します。
心電計などを使った生理機能の学習や、人体模型や顕微鏡を使い、人体の構造と機能を学習します。
「運動学」「運動療法評価学」等の演習で使用します。
一般的な病院のリハビリテーションセンターと同様の部屋になっており、基本的な「立つ」、「歩く」などの動作練習や、「バランス練習」、「階段昇降練習」など応用的な動作練習などを学修します。
「物理療法学演習」など、機器を使用した治療法の演習等で使用します。
電気を使った治療や牽引療法など、疾患に対する機器の選択、患者さんへの治療方法を学びます。物理療法は、運動療法の補助的な治療であり、電気、熱、レーザーなどを使った治療を行うことで筋肉や関節の機能を改善させ、より効果的なリハビリテーションを行うことができます。
「理学療法学演習」など、水を用いた治療法の演習で使用します。温水で温めたり、気泡で皮膚や筋肉を刺激します。水の中では浮力が発生するので、骨折の後に体重をかけられない患者さんはこの浮力を利用して機能が低下しないように訓練をしたり、水の粘性抵抗を利用して筋力増強練習などを行います。ホットパック・渦流浴・パラフィン浴などがあり、臨床現場と同じ機器を用いて実践的な学修をします。
「運動学実習」「卒業研究」などで使用します。機器を用いて、筋力、心肺機能、基礎代謝量等を測定・記録・解析し、対象者を分析するという基礎的な方法を学修します。 ※三次元動作分析装置、呼気ガス分析装置などがあります。
「運動学演習」など、筋力や関節可動域等を測定する演習に使用します。
関節の曲がる角度、腕や足の太さを測る等、実技練習を行い、固くなった筋肉を伸ばすストレッチや関節の動きを改善させる関節可動域練習、弱くなった筋力を改善させる筋力増強練習など、基本的な治療方法を学修します。
「装具学」「義肢学」の演習で使用します。
手足を切断した患者さんが使用する義手や義足等の装具・自助具について、装着練習、装具使用での動作訓練法を学修します。また、簡易な装具・自助具については対象者に合わせて作製できるように、その手法を学修します。