作業療法学専攻は2年連続国家試験合格率100%を達成しています。1学年30名の作業療法学専攻ならではの、学生一人ひとりの学修到達度に合わせた国家試験対策体制により、全員受験・全員合格を目指します。もちろん、国家試験対策に限らず、日々の学修での疑問や質問をすぐに教員に質問できる、学生にしっかりと教員が寄り添ってサポートする環境が整っています。
学外で行われる実習(臨床実習)は、合計で20週間以上にも及びます。東京医療学院大学では、学生が安心して実習に臨めるように、実習前セミナーや外部講師を招聘してのOSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)※を実施しています。また、本学教員と実習指導者による合同会議や実習指導者と学生との面談も行うことで、大学と実習施設との連携も強化しています。
実習施設の所在地は大学が位置する多摩エリアを中心に、非常にコンパクトにまとまっています。
※OSCE:ペーパーテストによる知識重視の教育ではなく、判断力・技術力・マナーなど実際の現場で必要とされる臨床技能の修得を適正に評価する方法
作業療法学専攻では1学年30名と、教員の目が行き届く環境に加え、ディスカッション形式やグループワーク形式の講義や演習を多く配置することで、医療従事者に求められるコミュニケーション力を伸ばせる環境を整えています。また、少人数教育ならではの学生と教員の距離の近さや学生間の距離の近さはアットホームな雰囲気を生み出し、分からないことをすぐに教員に質問でき、学生間でお互いを高め合うことができる環境になっています。
座学・実技・体験を通して基礎医学と作業療法の基礎を学ぶ。対象者に「優しく」できる人材を育成し学びの土台を作る
基礎医学の知識を学びます。また作業療法の治療で用いられる手工芸を実際に行いながら、評価・治療の視点を養っていきます。さらに作業療法士が活躍している医療・福祉の現場を見学し、作業療法士の機能や役割を学びます。専門職者としての基礎を身につけるため、学業を含めた様々な指導・支援をきめ細かに行っていきます。
区分 | 科目 | |
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教養科目 | 人間と社会 | ●大学導入論 ★ボランティア入門 ●生命倫理 ●学びの技法 ★教育学 ●心理学概論 ★法学入門 ★文化人類学 ★生活と経済学 |
科学的思考 | ★情報処理(基礎) ●情報処理(応用) ★環境科学 ★生命科学入門 ★行動科学 ★自然科学基礎 |
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コミュニケーション・英語 | ●コミュニケーション論 ●対人援助技術論 ★医療従事者のための日本語表現 ★英語(基礎) ★英語(英会話) ★韓国語(基礎会話) |
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健康と社会 | ★スポーツ・レクリエーション ★専門職の世界 | |
専門基礎科目 | 人体の構造と機能 | ●解剖学(人体の構造) ●解剖学演習Ⅰ(骨・筋・末梢神経) ●解剖学演習Ⅱ(中枢神経・内臓学・心脈管系) ●生理学 ●生理学演習 ●運動学入門 ●運動学 ●人間発達学 |
疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進 | ●臨床心理学 ●栄養学 | |
保健医療福祉とリハビリテーションの概念 | ●リハビリテーション概論 ★社会福祉概論 ★地域の保健医療福祉 | |
専門科目 | 基礎作業療法学 | ●作業療法学概論Ⅰ ●作業療法学概論Ⅱ ●作業療法セミナーⅠ ●基礎作業学 ●基礎作業学実習 |
作業療法評価学 | ●作業療法評価学概論 ●基礎評価学演習 | |
臨床実習 | ●見学実習 |
※★は選択科目
作業療法の基盤となる対象者の理解につながる「人を見る/診る」「作業を治療に用いる」ための知識・技術・態度を学ぶ
作業療法士の専門性を学び、対象者は何に困っているのか、どんなことができているのか、を見る/診る力を養います。そのために必要な人体の知識、病気やけがの仕組みと回復の過程、生活動作の妨げとなる動作の制限の原因を特定するための学びを深めるとともに、作業療法の運営に必要な倫理観やマネジメントも学びます。
区分 | 科目 | |
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教養科目 | 人間と社会 | ★教育方法論 |
科学的思考 | ★統計学 | |
コミュニケーション・英語 | ●保健医療英語入門 ★保健医療英語購読 | |
健康と社会 | ★東洋手技療法入門 ●医療安全管理 | |
専門基礎科目 | 人体の構造と機能 | ●基礎運動学演習 ●臨床運動学演習 ●老年学概論 |
疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進 | ●病理学概論 ●薬理学 ●内科学 ★外科学概論 ●整形外科学 ●リハビリテーション整形外科学演習 ●神経内科学 ●精神医学 ●小児科学 ●脳神経外科学 ●公衆衛生学 ●救急救命学・スポーツ医学 ★言語聴覚学概論 |
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保健医療福祉とリハビリテーションの概念 | ●リハビリテーション医学 ★福祉工学 ★パラスポーツ演習 | |
専門科目 | 基礎作業療法学 | ●作業療法セミナーⅡ |
作業療法管理学 | ●作業療法管理学 | |
作業療法評価学 | ●運動機能評価学 ●認知心理評価学 ●社会・生活機能評価学 ●評価学演習Ⅰ ●評価学演習Ⅱ |
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作業療法治療学 | ●作業療法治療原理 ●生活行為向上マネジメント概論 | |
臨床実習 | ●基礎評価実習 |
※★は選択科目
作業療法の基礎~専門領域を学修し、実習での実践を通して確かな知識を身につける。作業療法実践の第一歩を踏み出す
作業療法専門科目の学修、身体・精神機能の回復のための理論や治療について学び、評価・地域実習へ。実習では実習指導者の指導・監督のもと患者さんへの作業療法評価(観察、面接、測定など)を通して、他者に興味を持ち、優しい心で敬意を持って人に接することを実践します。人々の役に立つことや地域社会へ貢献できる作業療法を学びます。
区分 | 科目 | |
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専門基礎科目 | 疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進 | ●医用画像解析学 |
保健医療福祉とリハビリテーションの概念 | ●多職種連携論 ●保健医療制度概論 | |
専門科目 | 基礎作業療法学 | ●作業療法学研究法 ★作業療法学研究法演習 ●作業療法学研究計画演習 |
作業療法評価学 | ●作業療法画像評価学 | |
作業療法治療学 | ●作業療法治療理論 ●運動器障害作業療法治療学 ●身体機能作業療法治療学演習 ●内部障害作業療法治療学 ●精神機能作業療法治療学 ●精神機能作業療法治療学演習 ●発達過程作業療法治療学 ●高次脳機能作業療法治療学 ●神経障害作業療法治療学 ●義肢装具学 ●義肢装具学演習 ●生活環境論 ●作業療法治療学総合演習 ●作業療法介入技法演習 ★リハビリテーション治療学演習Ⅰ(生活行為向上マネジメント) ★リハビリテーション治療学演習Ⅱ(スポーツ傷害理学療法) ★リハビリテーション治療学演習Ⅲ(認知症) ★リハビリテーション治療学演習Ⅳ(AI・ICT 活用/ 福祉用具作成) |
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地域作業療法学 | ●地域リハビリテーション学 ★地域リハビリテーション学演習 ●地域作業療法学 | |
臨床実習 | ●評価実習 ●Basic OSCE ●地域作業療法実習 |
※★は選択科目
実習、就職活動、卒業研究、国家試験
作業療法士になるまであと少し、最後の仕上げの1年間
4年次の4月から8月末までは、学びの総仕上げとなる総合臨床実習(8週間×2回)があります。実習後からは就職活動が本格化し、卒業研究も仕上げの時期です。秋からは、クラス全員が団結し、国家試験全員合格に向けた勉強がスタートします。2月の国家試験が終わると、ほっと一息。みんなで楽しい思い出を作って、卒業です。
区分 | 科目 | |
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専門科目 | 基礎作業療法学 | ★作業療法学総論 ★卒業研究 |
臨床実習 | ●Advance OSCE ●総合臨床実習Ⅰ ●総合臨床実習Ⅱ |
※★は選択科目
時期 | 科目(内容) | 期間 |
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8~9月 | 見学実習 | 5日間 |
時期 | 科目(内容) | 期間 |
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8~9月 | 基礎評価実習 | 2週間 |
時期 | 科目(内容) | 期間 |
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9~10月 | 評価実習 | 3週間 |
3月 | 地域作業療法実習 | 5日間 |
時期 | 科目(内容) | 時期 |
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4~6月 | 総合臨床実習Ⅰ | 8週間 |
6~8月 | 総合臨床実習Ⅱ | 8週間 |
実習指導者の指導・監督のもと、5日間の実習施設の見学を行います。実習前に施設についての調べ学習を行い、実習後にそれぞれで学んだ内容に関して発表を行い、情報共有することでそれぞれの施設や作業療法士の機能・役割の多様さを学びます。
実習指導者の指導・観察のもと、運動機能評価(関節可動域検査、筋力検査、感覚検査、バランス評価など)、認知機能評価(記憶評価、知能評価など)、日常生活評価(FIM、動作観察・分析など)などを実施・体験します。
評価実習は実習施設において実習指導者の指導・監督のもと、学内で学修した評価に関する知識や検査・測定方法などを患者さんに対して行い、身体能力や生活環境等を評価することで患者さんの全体像を把握、具体的な問題点を抽出し、作業療法を考えるまでの過程を行います。
通所リハビリテーションまたは訪問リハビリテーションに関する施設において、実習を行います。地域包括ケアシステムの強化に資する高度医療人材を育成することを目的とし、作業療法士の実践的役割・支援を学びます。
作業療法学専攻の総合臨床実習は16週間です。実習施設において実習指導者の指導・監督のもと、評価から作業療法実施までの一連の作業療法過程を実施します。学生の個性と学修状況に合わせ、実習先の病院と密な連携・情報交換を行いながら到達目標まで学びます。身体障害、精神障害、発達、高齢期などの施設2 か所で実習を行います。
学生は臨床実習指導者のチームに参加して、作業療法の臨床推論を学び、見学、模倣、実施を繰り返すことによって臨床経験を多く積む形態の実習を行います。見学では学生が臨床実習指導者の行う作業療法について解説を受けながら観察し、模倣では学生が臨床実習指導者の行う作業療法について指導を受けながら実際に行います。実施では学生が臨床実習指導者の行う作業療法を監督のもと、主体的に実際に行います。
作業療法士を目指すための臨床実習では、病院で受け入れられる実習生数が限られているため、学生一人だけで実習地に行くことが一般的です。そのため、病院の受け入れ状況によっては、近隣の実習地以外で実習を行うこともあります。本学では、遠方の実習地になった際の交通費・宿泊費を大学が負担し、実習費を別途徴収することはありません。
実習前には実習指導者と本学教員との合同会議を行い、本学の実習について理解いただき、実習指導者と学生との面談も実施します。また、本学教員は臨床実習を実施している学生の中間評価及び臨床実習指導者との連携を目的に、実習施設を訪問します。臨床実習前後の評価においても客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination:OSCE)などを活用し、本学教員と実習指導者と協同して、学生の臨床技能を総合的に評価するなどの連携も図っていきます。
医療現場を想定した最新の設備で、実践力を身に付ける!
作業療法学専攻が使用する実習室は、基礎医学実習室、作業療法学実習室(手工芸・織物・絵画)、作業療法学実習室2(金工・木工・陶工)、日常生活動作訓練室(ADL室)、装具加工室、レクリエーション室の6部屋です。技術向上のため、講義以外の時間に学生が申請の上、自由に使えるようにしています。
主に1・2年で学ぶ「生理学」や「解剖学」の実習・演習で使用します。
心電計などを使った生理機能の学習、ラットなど実験動物を使った実習、人体模型や顕微鏡を使い、人体の構造と機能を学習します。
また、動物実験施設を併設しており、マウスやラットを一定の温度で飼育しています。
「基礎作業学演習」「身体障害作業療法治療学演習」など、作業療法の実習に使用します。 織物、絵画、レザークラフトなど、力が弱くてもできるような作業で、関節の動きや手指の細かい動きが回復することや、精神的な安定を目的としています。どのような作業をすれば効果的かを判断するために、様々な作業種目を自ら体験し学修します。
「基礎作業学演習」「身体障害作業療法治療学演習」など、木工や陶芸など作業療法の実習に使用します。比較的大きな力を必要とする作業により、患者さんが筋力をつけられ、動作のコントロールもできるようになります。また、作業に集中することによって精神の落ち着きにも繋がります。作業療法として多く用いられる作業について、実際に作品を制作して制作方法やその技術を身につけ、臨床に応用する能力を高めます。
「日常生活活動学」の演習等に使用します。食事・着替え・トイレ・お風呂など、患者さんが家庭に帰るための訓練について学修します。日常の身の回りの動作を身につけることは優先的な課題のひとつであり、患者さんが練習するための様々な訓練場面を再現しています。また、自立のために必要な福祉機器について、その種類、適応についても学修します。
「装具学」「義肢学」の演習で使用します。手足を切断した患者さんが使用する義手や義足等の装具・自助具について、装着訓練、装具使用での動作訓練法を学修します。また、簡易な装具・自助具については対象者に合わせて作製できるように、その手法を学びます。